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その声に、リセは目を開けた。
ダリウスはすでにナイフをしまっていた。
やっと、リセは気が付いた。
ダリウスは、リセの髪をしばる紐をナイフで切ったのだ。
「行くぞ」
ダリウスはそう言って、自分の右手を出した。
リセはほとんど涙目で、ダリウスを見た。
手・・ああ・・つなぐのか・・
そう言ったのは私だ・・・
リセはおずおずと、ダリウスの手に自分の手を乗せた。
その手は大きく、少し冷たいように感じたが、
リセの手をしっかり握ってくれた。
ダリウスはサングラスをかけているので、
何を考えているか、どこに視線をやっているかわからない。
それでも・・・
リセは少し戸惑いながらも安心した。
手の動きは、肘から肩につながるので・・
次の行動を予測できる・・・
ダリウスのナイフ使いは、相当なものだ。
両手で自由にナイフを扱う事が、できる人なのだろう。
攻撃、接近戦に強い戦闘能力が高い。
「湖に行くか」
ダリウスは、貸しボートハウスに向かっていた。
え・・え・・えっ・・
私はボートなんて漕いだことがない・・
リセは焦った。
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