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「あの、コーヒーとシナモンロールを・・
ありがとうございます」
<シナモンロール>と聞いた時、ダリウスは微かに笑ったように見えた。
湖のほとりのベンチで二人は並んで座った。
風が吹き抜け、鳥のさえずりが、時折聞こえた。
「いい場所だな・・静かだ」
ダリウスはコーヒーを一口飲むと、独り言のように言った。
護衛は、食事をすぐにすませなければならない。
学校時代、
鬼系男子は昼休みに5分で食事を終えて、遊びに行った。
リセは早く食べられなくて・・・
それ以来昼食は、シナモンクッキーにすることにした。
そもそも護衛が、主人と一緒に食べる事はないのだが・・・
リセはベンチの脇にコーヒーのカップを置き、
膝の上にハンカチを広げた。
ダリウスが食べ終わったら、すぐに動かねばならない。
好物のシナモンロールは、ハンカチに包めば持って帰れるし・・
「お前はこの仕事が終わったら、どうするのだ?」
ダリウスがホットドックを半分ほど食べ終わった時、
いきなり質問をしてきた。
リセは、少し冷めたコーヒーを一口飲んだ。
「何も決めていないので・・仕事を探します」
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