アラステアの山荘

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アラステアの山荘

今日は最終日だ。 リセは昨日の事はとにかく、最後まできちんと仕事をしようと考えていた。 指定された時間に、ホテルの最上階の扉の前に立った。 廊下には有名ブランド製のロゴの入った大きなトランクが いくつも並べてある。 出国の準備を、始めている事がうかがわれた。 ダリウスがすぐに出て来た。 いつもの通り・・・ではなく、大きな花束を持ちスーツ姿だ。 「どちらに・・」 「アラステアの山荘だ」 リセは脳内検索をすぐにした。 アラステア・・ダリウスの母方の祖母の別荘で、 生母がそこで育ったともいわれる。 「少し遠いが・・頼む」 「わかりました」 アラステアの山荘は、平原を抜けて山の中腹にある。 引き継ぎ書に、確か記述があった。 祖母と生母の墓が、山荘の敷地内にある。 リセは納得した。 墓参りなのだろう。 ダリウスはここに来た後に、別の国に移動することが多い。 護衛は敷地内には入らない。門の前で待つことになる。 ダリウスにとって、アラステアは誰も入れない聖域なのだ。 大きな森をいくつか抜けて、 アラステアの山荘の大きなアイアンワークの門が見えた。
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