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門の前でリセは車を降り、後部座席のドアを開けた。
ダリウスは降りて・・
ここから一人でいくのだろう・・とリセが思ったが
ダリウスは車を降りてから、自分で門を開けた。
「今日は車を、玄関までつける」
リセは慌てて、一緒に門を開け、すぐに車に乗り込んだ。
アラステアの山荘は・・
山荘というより美しい貴族の城・屋敷のようだった。
正面玄関は中央にあり、車寄せもあった。
玄関の両脇には、大きなつる薔薇の木が上階まで繁り、
小ぶりの白い薔薇の花が、見事なほどに咲き誇っていた。
「ここで待っていろ」
ダリウスはそれだけ言うと、花束を持って玄関の大きな扉の鍵を開けた。
そして屋敷の中に入って行った。
リセは車のそばで、ゆっくりと庭を見回した。
昔は栄華を極めたのだろう・・
正面の庭にはところどころに彫像や、水は流れていないが、
噴水や池があった。
ただ、庭師が手入れをしていないのか、
木が茂りすぎて荒れているように見える。
リセはつる薔薇のそばまで歩いた。
ダリウスの母親もこの薔薇を毎日見たのだろうか、
この庭で声を立てて笑ったり、遊んだりしたのか・・
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