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リセは、ピンクのふわふわのドレスを着て、紅いヒールサンダルを履いた。
そして、マスターキーを握った。
もし、祖母が生きていたら、こう言うだろう
「なに、男にのぼせあがっているんだ。
どうせ捨てられるに決まってる。おまえの母親のようにね」
こういう事も言うだろう。
「ひと月に10日も寝込む女なんか、使い物になりはしない。
魔力がちょっとばかり強いからって、つけあがるんじゃないよ」
リセは大きく深呼吸すると、食堂に向かった。
食堂は大きく、
10人ほどが向き合うような、長いテーブルが中央にある。
大きな暖炉と壁には、風景画がたくさん飾ってある。
天井からは
豪華なシャンデリアが下がり、美しく虹色の光を、反射させている。
テーブルのところどころに、
大きいろうそくとテーブル花が飾られ、
主人が在宅しているという、特別感を演出していた。
リセは食堂の扉を開けた。
ダリウスは、一番奥の正面に座っていた。
この屋敷の主人の席だ。
ダリウスの一番近い場所に、カトラリーがセッティングされていた。
リセの座るべき席なのだろう・・・本来は・・・
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