第3章 夫と父親

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〜アパート(ゆりねの家)〜 ゆりね「ただいま」 邪神ちゃん「ただいまですの!」 買い物を終え、用事を済ませた後、自分達の住むアパートに着いたゆりねと邪神ちゃん。鍵のロックを解除しようとすると、【タタタ】と早く歩く足音が二人の耳に響く。 ゆりね「あら・・・もしかして」 邪神ちゃん「げっ・・・まさか・・・あいつらですの!?」 近づいてくる足音が誰なのかはゆりねと邪神ちゃんは知ってるものの、邪神ちゃんに至っては少し渋めな表情になっていた。 そして、ドアが開き始めると、そこには見覚えのある人が二人いた。 ゆりえ「おかえり、お母さん」 天馬「母さん、おかえり・・・あとついでに邪神ちゃんも」 邪神ちゃん「私はついでですの!?」 ゆりね「あなた達、学校は・・・って、そういえば今日は・・・」 ドアを開けたのはゆりねの双子の子供であるゆりえと天馬の二人であり、ゆりね達より先に学校からアパートに帰ってきていた。 何故、早くアパートに帰ってきたか、それはゆりえと天馬の入学式は今日で2日目であるため、昼食の時間に下校する事を義務付けられているからである。 ゆりねと邪神ちゃんはその事を思い出しながら中に入る。 ゆりね「それなら、終わったら連絡くらいしてくれたらいいのに・・・邪神ちゃんと同じかそれ以上なくらい突然ね」 天馬「いや、実はさ」 学校から早く下校したのなら何故、連絡をしなかったのか理由を聞きながら昼食の準備をするゆりね。 それは、早く終わった後、二人でゆりねをびっくりさせるためであるからだと言う。 ゆりえ「とは言え、まさか、邪神ちゃんが帰ってくるなんて思ってなかったけど」 天馬「なんたって、今日の朝、母さんにミンチにされて世界の果てまで行かされたもんだと思ったよ」 邪神ちゃん「ミンチにされてねえし、世界の果てまで飛んでねえですの!」 天馬「世界の果てまで行かされただけに【世界の果てまで行ってQ】ってか?」 談笑をする中、渾身のギャグを言いながら、さらに場を盛り上げようとする天馬だが、当然、つまらないどころか、しょうもないギャグだった為か、辺りは寒くなっていく ゆりね「・・・」 邪神ちゃん「・・・」 ゆりえ「・・・」 天馬「あ、あれ?」 渾身のギャグだと自信満々に思って言ったつもりが、空気を逆に冷めている事に気付く天馬であったが、ゆりえはその場から立ち上がると、天馬にゆっくり近づく。
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