第3章 夫と父親

4/6
前へ
/48ページ
次へ
全員「ごちそうさまでした!」 ゆりね「はい、お粗末様」 ゆりえ「お母さん、私も手伝うわ」 昼食を食べ終わるゆりね達。ゆりねとゆりえが食器を持ち、台所に持って行き、洗おうとすると、天馬はゆりねに声をかける。 天馬「・・・なあ、母さん、ちょっと聞きたい事があるんだけどさ・・・」 ゆりね「聞きたい事? 急に改まってどうしたの?」 ゆりえ(あっ・・・何か嫌な予感が・・・) 天馬に声をかけられ、途中で手を止めるゆりね。天馬の一言に対してゆりねは何か改まって聞きたい事があるのは分かっているが、ゆりえの場合、天馬の一言に対してある嫌な予感を感じていた。 天馬「あのさ・・・その・・・」 ゆりね「どうしたの? 言いたいことがあるなら、はっきり言わないと分からないわよ?」 ゆりえ(ちょっと天馬、今、その話をする時じゃないでしょ・・・) ゆりねは言いたい事を途中で口籠る天馬にはっきり言うように伝えるが、その内容が何なのか、何も言わないゆりえは何となく察しており、天馬を止めようとする。しかし、すでに遅しだった。 天馬「・・・・・・俺達の親父って・・・どんな奴なんだ?」 ゆりね「!!」 ゆりえ(このバカ天馬、あんた、何してくれてんのよ!) 突如、ゆりえと天馬の父親について聞かされるゆりえ、それを聞いたゆりえは慌てて止めようとする。 ゆりねも自分の夫、そして、二人の父親について聞かされた時は少し驚いた表情はしていたものの、無表情になり、台所から離れると、天馬に床に座るように言う。 ゆりね「天馬、ちょっとそこに座って」 天馬「わ、分かった」 渋々と床に座る天馬。ゆりねもその場に座ると、ゆっくり息を整えるように深呼吸をする。そして ゆりね「どうして、お父さんの事を聞きたいの?」 天馬「これまでずっと、はぐらかされてきたけど・・・今日こそは聞きたいと思ってさ」 ゆりね「・・・・・・」 天馬「・・・親父はいったい、どんな奴で、何処で何をしてるのか、教えてほしいんだ」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加