第8章 父と娘の再会

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〜シャドーの隠れ家〜 その頃、シャドーからゆりえを確保された事を聞き、隠れ家に集まったゆりね達。 そして、ゆりえはついに自分と天馬の父親である愛輝夢と再会していた。 愛輝夢「・・・・・・」 ゆりえ「・・・お父・・・さん?・・・」 ゆりね「ええ。この人があなたと天馬のお父さんよ」 今にして思えば、自身の父親の事を知ったのはまだ4歳、それも、写真でしか見た事なく、この16年間、父である愛輝夢にあった事がないため、その実感がゆりえにはなく、どう接すればいいか分からない状態だ。 それは愛輝夢自身も同じで、まだ赤ん坊の頃のゆりえと天馬は見て来たものの、四界同連盟の仕事での多忙により会う機会が減っていき、ゆりねに会う所か、ゆりえや天馬の成長を見る機会すらも無くなっていた。 そして 【ガバッ!】 ゆりえ「!?」 ゆりえは驚く。お互い、しばらく見つめ合ってしばらくした後、父である愛輝夢に抱きしめられた事を。 愛輝夢は16年間もゆりね達に会えなかった事、気づけばゆりえや天馬は既に高校生。 そんな自分とゆりねの子供がここまで成長をしていた事に嬉しさと複雑さも相まっての事か、ゆりえをギュッと抱き締める。 愛輝夢「・・・16年も見ない内に・・・大きくなったな・・・会えて嬉しいよ、ゆりえ・・・」 ゆりえ「・・・ッ!!・・・」 始めて愛輝夢に抱きしめられるゆりえの中にある感情が芽生える。 それは16年間会えなかった愛輝夢から伝わる父親としての優しさ、温もり、そして・・・ようやく出会えたと言う切実なる思いだった。 そして ゆりえ「・・・お・・・お父・・・さん・・・私も・・・私も、会いたかった・・・」 震えながら漏れるゆりえの声。それはまさに、父と娘の感動の再会を表す涙そのもの。 一方、愛輝夢は涙は流してはいなくとも、ようやく会えた娘を抱き締められた喜びを噛み締め、まだ離したくないと言わんばかり抱きしめ、泣いているゆりえの頭をそっと撫でる。 ミノス「・・・良かったな、ゆりえちゃん、ようやくお父さんに会えて・・・」 ぴの「・・・ゆりえさん・・・グスっ」 ミノス達は愛輝夢とゆりえの再会、抱きしめ合う所を見るなり、涙ながら感動をしていた。 それはもちろん、邪神ちゃんも同じである。 メデューサ「邪神ちゃん・・・泣いているの?」 邪神ちゃん「ばっ、別に泣いてねえですの! これは・・・そう、目から出た汗ですの!」 そう言いながら目をゴシゴシと拭く邪神ちゃんだが、父親変わりとしてゆりねと共にゆりえと天馬を育てて来たと言う事もあり、愛輝夢とゆりえが感動の再会をした際には嬉しさのあまり、既に感動しながらも涙を涙を流していた。 その涙は床がびちゃびちゃになるほどだ。 それからはどれくらい泣いたか覚えてはいない。 ゆりえはどうにか落ち着きを取り戻すが、泣き疲れてしまったのか、甘えるかの如く、愛輝夢に膝枕をしてもらう形で再び眠ってしまっていた。
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