最恐の初対面

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 ***  「……だからね今日学校行けないの。ごめんね悠ちゃん」  「……え?」  私は間抜けな声を出す。意味がわからない。なぜって私は、実にしっかりと立っていた。  さっきまで体のどこも動かせないような状態で、死を覚悟していたはずだったのに。  「どうしたの?」  私が呆然としていると、向かい合っている人物が問いかけてきた。反射的にうつむいていた顔を上げる。  そこには美少女がいた。様子がおかしい私のことを眉を八の字にして、大きな瞳でじっと見つめている。  高校生くらいに見える。しかし私の知り合いにそれくらいの年齢の子はいないはず。  いや、というかこの子!  「(さち)?」  高校時代のクラスメイトの薄井(うすい)幸にそっくりだ。在学中に転落事故で帰らぬ人となってしまった私の親友。  「なんで幸がいるの? というかここどこ? あっ、幸に会えてるってことは死後の世界……? やっぱ死んだの私?」  「ねえ本当にどうしたの? 大丈夫?」  幸のそっくりさんが、ますます心配そうに質問してくる。  そこで私は自分の服装がおかしいことに気付いた。  さっきまで白いブラウスに黒いジャケットとスカートの社会人スタイルだったのになぜか今は、夏物の学生服――もっと詳しく言えばセーラー服を着ていた。それからスクールバッグを肩から提げていて、完全に夏の学生の装いだった。  この制服は、私が通っていた高校のものだ。幸そっくりの少女も同じ制服を着ていた。  周りを見渡してみる。きれいに整えられた花壇と白いガーデンベンチがあって、自分が庭にいることがわかった。  ずいぶん広い庭で、上に視線を伸ばすと家もかなり大きいことがわかった。自宅というか屋敷である。  この庭も屋敷も見覚えがある。間違いなく幸の家だ。じゃあひょっとしたら私は――!
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