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第十章 刀完成
数時間後、私の刀が完成した。
「…よくもまぁ、こんな完成度のものを。」
褒めてるのか、けなしているのか、どっちとも言い難いことを悪魔が言う。まぁ頑張ったのは事実だが。
「そういやよ、こんな剣、見たことないんだが、」
…ん?この世界には刀というものがないのか?
「…見たことなかったか?これは“刀”だよ。」
そう答えると、
「刀…ねぇ、それが刀というものか知らんがそんな剣を持っていた奴を一人知ってるぞ。」
…そうなのか?逆に誰が持ってたのだろう。
「誰が持ってたんだ?」
そう聞くと、悪魔は少し間を開けて、
「…魔王様だよ、この世界の最強たる存在の一角、魔王リゲル、そのお方が持っていた。」
…魔王か、しかもリゲル…か、偶然なのか?
「…いやいや、そんなわけないよな。」
そう呟くと、
「どうかしたか?」
と悪魔が聞いてきた。案外耳が良いんだな、
「いや?何でもないよ。」
そう答えて、私はその場を後にした。
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