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幕間 絶望と希望
私が目覚めた場所は争いと泣き声が絶えない悲しい場所、
「ここ…何処?」
私はそう呟いた…はずなのに、まるでその声は小さい女の子のようなか細い声だった。
周りを見渡してみても、そんな女の子なんていない。
「この声…私の声?」
その呟きさえも、自分の声のはずなのに…誰の声なのではないかと思うほど違和感が凄かった。そして、
「この力…何?」
そう、私の体はとても小さく、傍から見たら華奢な女の子だったが、その力は途轍もなく強大だった。そして、
「ステータステーブル」
そう唱えると、やっぱ出て来るよな、え~と?能力っていうのはなんだ?
ステータス
リゲル 役職…魔王
能力
運命 未来 破壊
再生 現実
「…ほう?」
言っておくが私は今は女なのかもしれないが、元は男だ。こういう魔法的なものは大好物だ。
「それにしても…運命と未来、ねぇ。」
そういうのも仕方がない、運命だ。
「これからのことも見えたりするのかな?」
使…えない、それもそうか、普通に考えてチートだもんな、
「破壊は?…っとと、あっぶな…」
破壊を使用しようとしたのだが、私の目の前が粉々になったのだ。範囲も広い。やばすぎだろ。いろいろと、改造出来そうだな。
再生は…自分のことを再生する能力、かぁ、破壊はさっきの通り、運命と未来は…分からない、現実は?
「…っ」
“現実”を使おうとしたら、えげつない量の情報が頭を駆け抜けた。なるほど、周囲の情報を把握する程度の能力…か、それにしては情報量が多すぎる気がしたのだが、そんなこと気にしないことにした。それにしても、便利だな、視野が広くなったように感じる。ん?
「…誰?あなた」
見るからに禍々しいオーラを放っている、フードを被ったヤバいやつがいた。
「ふふふ…それはあなたにも言えることでしょう?」
声から判断するに、女性のようだ。にしても、
「…俺、いや、私はリゲル、」
「そう、私は-」
その瞬間、私と彼女の間で爆発が起きた。
「…何?」
「…ふふふ、今回はお開きのようね。では、またね。」
そう言って、彼女は消えた。
その直後、私の意識は暗転した。
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