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第十一章 襲撃
「天上天下消滅雷覇!」
今、私が戦っているのは…ゾンビだった。殴っても殴っても起ちあがってくる。面倒な奴らがだ。
「あぁ、面倒臭い!」
最近封印していた能力を使ってみた。
「超絶雷鳴覇!」
そう私が唱えると、周りのゾンビたちは消え去った。おぉ、やっぱ強いな。
「ふぅ」
疲れた、かれこれ5分間ずっと追われていたのだ。それは疲れるだろう。
「こんなのがぞろぞろいるのか、めんどそうだな。」
そう、何を隠そう私が向かっているのは…
「魔王リゲル…か」
魔王リゲルの所だ、リゲルって、あいつ…違ってくれればいい、そう思った。
何故なら、この世界に来たということは、あっちの世界で一度死んでいる。そういうこと
になっていないことを望んでいる…のだが、
「あいつ…死んだとして、いつ死んだんだ?」
そう、リゲルとは、私の前世で親友だった男だ。そんな彼がゲームなどで愛用していた名前が、リゲルという名前だった。そして、彼は私が死んだ時には彼は死んでいなかった。だが彼―魔王リゲル-は10数年前から活動しているらしい。どう考えても辻褄が合わない、私がこの世界に来たのは、2年前、彼が活動し始めたのは少なく見積もっても12年前、少なくとも、10年のタイムラグが発生しているのだ。
「一体何処から来ているんだ、このタイムラグは」
私がそう呟くと、誰かがこの呟きに返答した。
「私のおかげ…かな?」
「うーん、じゃあ教えてくれるかな?」
私の呟きに返答したのは声から考えると女性のようだ。そしてその直後、私の視界が暗転した。
「…は?」
私の素っ頓狂な声は、闇に飲まれて消えた。
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