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第十五章 夢の真実(後編)
麗奈視点
パチン、と目の前で彼女が指を鳴らした。拘束されている身なので、何もできなかったが、今考えると有り得ない事だ、何故なら、今までそんな能力なんて欠片も無かった子供が、自力で独自世界を構築し始めたのだ。
「…え?」
「…はい、あなたはもう噓もつけないし、黙秘もできない、全て話しなさい。」
「分かったわ…」
私は、そう言うしか選択肢が無かった。
ラトモイ視点
彼女が白状した事としては、
・最近、まだ幼い子が神官を圧倒したり、悪魔を使役したりしているので、■■■に頼まれて、私を封印しようとした。
この一点のみだった。これ以外何も言わないのだ。…いや、これしか言えない、の方が正しいのか。多分彼女は依頼主に支配されているのだと思う。…なら、
「これなら話せるか?」
そう問いかけると、彼女は
「…なんで呪いが解けてるのよ、」
あ、やっぱあれだったか、彼女の記憶を覗き見ようとしたら、“何か”に阻まれて見えなかったのだ。なので、その根幹を探って、「天上天下消滅雷覇」で消し去ったのだ。いやはや、使い勝手の良い能力だ。なんてことを思っていると、
「…はぁ、もういいわ、全て話す、」
…と彼女は呆れたように全てを話した。言った事をまとめると、
・最近、まだ幼い子が神官を圧倒したり、悪魔を使役したりしているので、■■■に頼まれて、私を封印しようとした。
・ラトモイのことを自分の能力で追っていた。
・理想世界が破られた、
・そのことが■■■にバレた。
・■■■に殺されそうになった瞬間に、私が理想世界を展開したため、魂が保護され、殺されなかった。
などとのこと、■■■はなんかノイズが混じって聞こえなかった。そこは解除できなかったぽいな、まぁいいか、
「聞きたい事は聞けたから、もう行っていいよ。」
私はそう言った…が、
「…」
ぼけーっとしていた、はぁ、しょうがない、
「まずは解除、からの、“転移”!」
おーおー、いやー“転移”って便利だなー、そう思いながら、その時を過ごしたのだった…
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