7人が本棚に入れています
本棚に追加
第十七章 ストレス解消
…麗奈をうちに迎え入れてから、数日が経った。彼女に家事を任せることにしたんだが、彼女の家事は完璧だった。いやー他人に家事を任せるというものは楽だなー。なんて考えてると、
「…何かろくでもないことを考えてませんか?」
「いやいやいや!ぜんっぜん、そんなこと考えてませんってば!」
…見通されていたようだ。だが、彼女の家事が完璧なのは本当なので、ここは素直に称賛しておこう。
「いや、お前の家事が完璧だな~って思っていただけだから!本当に!」
…なんで俺こんな謝っているんだろう、そう思っていると、
「「キャーッ!」」
悲鳴が聞こえてきた。その後、
「魔王だー!魔王リゲルが攻めてきたぞー!みんな逃げろーッ!」
そんな声が聞こえてきた。…なんでこんな場所に来たんだろうな、それはそうと、あっちからきてくれたんだから、確かめないとな、
「…」
無言で破壊の限りを尽くす魔王リゲル、…理性が吹き飛んでいるっぽいな、一番面倒だ。まぁ戦闘はいつも通りやればいい、「磁力封印結界」で足止めをし、「天上天下消滅雷覇」で周りを囲み、逃げれないようにする…が、
バーン!
と、音を立てて、磁力封印結界と天上天下消滅雷覇が一気に無力化された。…これが噂の“破壊”か、面倒だな、それよりも、
「リゲル!…いや、徹!お前なんだろ!?帰ってこいよ!そして暴れるのをやめろ!」
必死に叫んだ。…が、彼…いや、彼女にその声が届くことは無かった。そんなことをしている間に一気に間合いを詰められ、取っ組み合いになってしまった。毎日筋トレをしているとはいえ、こちらは人間、あちらは魔王だ、あっという間に押し倒されてしまった。
「…」
無言で押しつぶそうとする魔王リゲル、このままだと負ける…というか殺される。じゃあ、
「磁力封印結界!」
魔王リゲルと私の間に強力な磁場を生成、私をN極、魔王リゲルもN極にして、無理やり引きはがしたのだ。
「…」
不機嫌そうな魔王リゲル、その直後に間合いを詰めてこようとするも、こっちにこれない様子、これなら、
「来い、“白虎”」
私の愛刀を呼び出し、その刀を抜いた。
「来いよ、お前にもあるんだろ?」
取り敢えず、刀はそれなりに極めてきたつもりだ、通じなかったらその時だ。
「…召喚、“運命の刀”」《コール・フェイトソード》
おーおーそれっぽいそれっぽい、いかにも徹ってかんじだな、取り敢えず、お手並み拝見と行きますかね!
最初のコメントを投稿しよう!