転生した努力家は4歳から無双を開始するらしいです

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第十九章 再開 「おーいリゲル、というか徹―、いるー?」 …なにも無い所に話しかけるのは悲しいな、そう思っていると、 「おーい!こっちだこっち!助けてくれー!」 …あ、そっか現世での面識がないのか、なんて考えながら転移をし、彼…もとい、彼女に話しかけた。 「久しぶりだな、徹、いや、今は魔王リゲルだっけ?元気?」 「誰?貴女、っていうか、なんで私の前世の名前まで…ってまさか!?」 「…そう、そのまさかなんだよ、改めて、矢口日樹、いや、ラトモイだ、」 「…うわーん!日樹―!寂しかったよー!」 「あーはいはい、もう大丈夫だからねー」 …こいつ、幼児退行してないか?まぁ元からそうか、調子のいいときは気が大きくて、悪いときは他人に縋る。時に大人っぽく、時に子供っぽくっていうやつだもんな、こいつ。 「…で?気分はどう?」 「お前に会えて最高…と言いたいんだが、こう、周りが本当に何もないと…な?」 そうか、じゃあ、 「…ほい、これならどうだ?」 「ああ、なんか昔に戻ったみたいだ。」 「いつ頃に?」 「中学の頃」 「あーあの頃は楽しかったな、」 「そうそう、3人で馬鹿やってさ、」 「…そうだな、」 「…どうした?」 「話題変えるぞ?」 「…おお、突然だな、まぁいいぞ。」 「せんきゅ」 そう一旦置いて続けた。 「お前はこれからどうしたい?」 「…うーん、これから、ねぇ…」 彼女は少し考えていたが、 「お前と一緒にいたい!」 「…は?」 一瞬、呆れた声が出てしまった。 「ごめん、もっかい言って?」 「もーしかたないなーこれ言うのなんか恥ずかしいんだよ?」 そう置いて彼女はもう一回いった。 「お前と一緒にいたい!」 「…そっか、」 …聞き間違えではないようだ、そう考えていると、 「…え?いやだった?」 泣きそうな顔でリゲルがこっちを見ていた。 「いや、そんなことじゃなくて、突然のことでびっくりしたんだよ!」 「…そっか!」 嬉しそうなリゲル、てか、こいつ本当に前世徹だよな?滅茶苦茶可愛いんだが、さっきの笑顔とか、いや、割とマジで、 「…どうしたの?」 急に黙り込んでいた私を気にしてくれたらしい。 「いや、なんでもない。…取り敢えず、」 「ん?なあに?」 「いま絶賛お前のこと解析中なんだが、ガードが強くてな、解除してもらえるか?」 「えーどうしようかなー」 「外出たらなんかおごってやるから、」 「わかった!」 ちょろいな、っと、 「解析完了だ、お前にかかってる呪いを解くぞ?」 「…呪い?」 「ああ、現世ではお前は自我を失って暴れていたんだが…覚えていないか?」 「…うん、なんかずーっと眠ったような感じで今まで過ごしてた。」 「そうか、じゃあその呪いを解いて、3人で食いに行こうぜ!」 「うん!…って3人!?」 「…あ、説明してなかったか、今うちには居候がいてな、」 「…ふーん」 あれ?ご機嫌ナナメ? 「麗奈には悪いが、うちで飯を食ってもらうか、」 「じゃあ2人でご飯?」 「ん?そうだな、2人だ。」 「やったー!」 麗奈には悪いが、アリマには俺以外にも聞かれたくないことでも話すつもりだろう。 「じゃ、決まりだな、呪いに向けて、“天上天下消滅雷覇”!」 いつも通り、天上天下消滅雷覇で呪いを消し去ろうとしたが、 「…なんで解除されないんだろ?」 「…そうだ!私をこの世界に連れてきた時のやつは?」 「…なんで覚えてんの?」 「なんかさ、夢って、覚えてる時と覚えてない時があるじゃん、」 「そういうこと、…まぁ、それを一回やってみるか。」 今度は“魂暴食”の行く先を“虚無還元”に設定して…よし、 「呪いを食らい尽くせ!“魂暴食”!」 「おお!カッコイイ!」 なんかリゲルは言っているが、これ結構集中力がいるんだよ、…あと少し、 「…終わった~!」 「おお!凄い!」 「…一応お前のことなんだが、」 「…あ、そっか、ありがとね!」 「どういたしまして、」 「じゃ、外出るぞー」 「ほーい」 そんな会話をしながら、外に向けて、“転移”を発動させたのだった…
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