転生した努力家は4歳から無双を開始するらしいです

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第二十章 魔王のスキル “転移”で現世に帰ってきたのはいいものの、そこからが大変だった。 「お前さん凄いな!」 「どっから来たの?」 「よく無事だったな!」 いやー声援の嵐が凄い凄い、慣れた今でこそいいものの、最初の頃はうるさく感じたものだ。 「…大活躍だったようで、」 いやー麗奈の視線が痛い痛い、 「ごめん、一旦家に帰ってて、俺はリゲルと飯食ってくる。」 「…え?1人でご飯食べろってこと?」 「…ほら、これやっから、好きなところ食いに行って、好きなものでも買ってきたら?」 「…はぁ、しょうがないわね、ほら、それよこしなさい、」 「はいはい、ほれ、」 「ちょ…貴女って本当に雑ね、」 「しょうがないだろ?現世では女だが、前世では男だったんだから。」 「はいはい…って、貴女って前世持ちなの?」 「…まあな、その話はまた後でな、」 そう言ってその場を離れた。…さぁ、久しぶり(?)の外食だ! 「…」 なんかリゲルはまた無口になってるが、これはもともとの人見知りだろう。 「ほらリゲル、飯食いに行くぞ!」 「ラトモイ、口調直したほうがいいんじゃない?」 口を開いたと思えば、口調のことか、 「えーもうめんどくさいよ、」 「でもさー、折角現世で可愛くなったんだからさ、言葉遣いにも気を付けよ?ね?」 「はーい、」 ていうかさっきから能力の進化とかの通知がうるさい、 《問、“能力”虚無に今回得た能力を統合してもよろしいでしょうか?》 ん?急に問いになったな、まぁ、“はい”っと。…お?なんか結構な量の能力を獲得したっぽいな、お、着いたか、 「着いたよー」 「うん!」 なんやかんやで席に着けた。私とリゲルは、見た目を変えている、そうじゃないと、周りがうるさくなるからな、 「何食べる?」 「んーなににしよう、」 「サンドイッチとかでいいんじゃない?」 「お、口調直したね、偉い偉い、よーし、お姉ちゃんがなでなでしちゃうぞ~」 「ちょっ、やめ、やめてって、恥ずかしいから!」 周りの視線が気になる。あ~もう、一部の人たちには笑われてるよ、 「…サンドイッチとコーヒー2人前ですね、」 注文を終えた私たちは、会話を楽しんでいた。最終的に、なんか重い話になりそうなので、周りから私たちの声が聞こえないように“結界”を展開しておいた。…そして、話はこの世界に来たきっかけのことになった。 「ラトモイは、落ちた時にこの世界に来たの?」 「…うん、そうっぽい、」 「私はねー、ラトモイ、いや、日樹が手すりに寄りかかって落ちて、どこ行ったんだーって叫んだら、ここにいた。」 「なんか…ごめん、」 ということは、ほぼ俺のせいで、徹はこの世界に来てしまったのか、…なんか罪悪感を覚えるな、 「いやいや、ちょっと時間かかったけど、また日樹、いや、ラトモイに会えたから、結果オーライだよ!」 「…ありがとう、リゲル、」 「どういたしまして、ほら、サンドイッチ来たよ!食べよっ!」 そうして私たちは、二人で食べる昼食を楽しんでいた…のだが、 「そういやさ…むぐむぐ…ラトモイのさ…もぐもぐ…スキルってさ…ごっくん、どうなってるの?」 リゲルがサンドイッチを頬張りながら聞いてきた。 「見せたるから、食べながら喋るのやめなさい、ほら、口元に付いてる、」 「え?どこどこどこ?」 「もー、ほら、とったから、」 「ひぇ?じゃあとったやつはどこに?」 「ああ、そもそもとったというよりは消し去ったから、」 「…そっか、」 何で残念がっているんだろうか、まあいいか、 「で?私のステータスがなんだって?」 「あ、そうそう、一応自我失って若干弱体化してたとはいえ、魔王として十分な強さを誇っていた魔王リゲルである私をだよ?殺すのではなく、自我を復活させて解放したんだよ?そんな人のステータスってさ、なんか気になるじゃん!?」 あーそういうことか、確かに、気になるよな、まぁいいか、リゲルだし、 「ほい、ステータステーブル、“共有”っと」 「ありがとっ!」 ステータス ラトモイ 能力 “雷撃”  ・水雷支配 ・速度支配 ・次元破断  ・磁力支配 ・天候支配 ・雷撃世界  “虚無” ・魂暴食 ・虚無空間 ・虚無生成 ・虚無還元 ・意志強化・運命操作  ・運命視認 ・思考加速・身体構造変化 種族 人族 適性能力 虚無 「あー…これなら自我失ってる私が負けたのも当たり前だ…強すぎる、」 「…そんなに強いか?」 「特に“虚無”はほぼ反則だよ、適性入ってるし、“雷撃”とも凄く相性が良い、魔王の私が言うのもなんだけど、今の時点、私よりも強いよ。」 「そんなにか…」 「あ!そうだ!私のステータスも見せるね!“共有”!」 そうして見せてもらったスキルは、魔王にふさわしいものだった、 ステータス 能力 運命 ・運命支配 ・滅壊 ・再生 ・時空間操作 ・無限収納 ・現実視認 ・現実操作 ・法則支配 ・重力支配 種族 吸血鬼族 適性能力 運命 「…え?リゲルって運命を操れるの?」 「…そうっぽい。」 「そしたら私よりも強くない?」 「…いや、これは相手より“こうしたい”という意志が強くないといけないから、スキルで意志が強化されているラトモイには、“運命改変”が使えなかったの」 「あ~そういうこと、」 なんか知らん間に手に入れてたスキルが、役に立ってたってことか、これ無かったらどうなってたことやら、 「…でもたぶんこれなくともラトモイが勝ってたと思う、」 「どして?」 「…殺す気なら、全力で“雷撃”を放って終わりだったと思う」 「あ~、それな、なんかお前ごと消し去りそうだったから止めた。」 「…なんであの時私を殺そうと思わなかったの?」 「そりゃあ、お前だって確信したからだよ、」 「…どうやって、」 「立ち振る舞い、剣の構え方、名前、その他もろもろで、」 「あ~そういやラトモイってそんなことできたっけ、」 「…一応中学上がってからは使えたぞ、使わなかっただけで、」 「だからあの時、完璧にイメチェンしたと思ってたのに、日樹にだけバレるんだもん、ビックリしたよ、」 「あはは…あの時はなんかごめんな、」 「いやいや、いいのいいの、別に気付いて欲しくなかったわけじゃないし、騙せたらいいな~くらいの感じだったもん。」 「てか、無限収納って…あれじゃん、主人公が必ず持ってるやつ、ご都合スキル、」 「あ~いまいち使い方わかんないんだよね。」 「え?そうなの?」 「そう、使用制限があるらしくて、容量は無限だけど、周りとかにも結構影響受けるみたい。」 「ほえ~そうなんだ。」 「ラトモイってそういう系のスキル持ってたりする?」 「ん~、“虚無空間”がそういう使い方ができるけど…」 「できるけど?」 「結構集中力いるんだよね、あれ、」 「あ~、そういや私の“封印”を解除した時もそんなこと言ってたっけ、」 「うん、だから、収納する時に集中しなきゃいけないけど、他はあんまデメリットはないかな?」 「え?容量制限は?」 「多分ないんじゃない?」 前に使った砂鉄の余りも入れているが、なんだかんだで結構な量あるからな、もしかしたらそろそろ入んなくなるかもしれない、 「…それこそご都合スキルだよ、」 「ん~そんなにか?」 「そうだよ!そんなにだよ!」 「そっか~、お?ほら、パフェ来たぞ、」 「パフェ!?食べる食べる!」 やっぱこいつちょろいわ、そう思いながら二人でパフェを食べるのであった…
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