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図星や。もう、苦笑するしかない。
店の外に出て、タクシーを捕まえる。
「……ああ、せや」
「なんや?」
忘れ物でもしたのかと俺が車内に体を半分入れると、師匠がこう言った。
「お前の相方……なんて言ったかな、古……」
「古橋や、それがどないした?」
「おお、そうや、古橋や。あいつ、いつまでスターダスト名乗ってんやろな」
「え?」
事実上の活動停止に陥ってから、俺の相方の古橋はレポーターとして主に地方で活動してると聞いてはいたが、まだコンビ名を外してないことは初めて知った。
「解散して、もう何年や……スターダスト古橋なんて、ええ加減外せばええのに、なあ?」
「……解散はしてへんよ、まだ」
「ほお、せやったんかいな。ほなまた」
師匠はそう言うと車を出すように指示をした。
最後まで勝手なジジイや
“スターダスト古橋……“
「……スター、ダスト」
このコンビ名を命名したのもハッシー師匠だった。
高校からスカウトを受けていた大手事務所タイヨウ興行をあてにして、東京の大学を受けて古橋とともに神戸から上京した。
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