STARDUST

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「うん!おおきに」 ご案内なんて俺ごときに勿体ない。お姉さんたちにはそう言って断るようにしている。 「師匠!お疲れさんです!」 ようやく来たかと目を細めながら、俺の無精ひげに眉をひそめた。 「ひげも剃らずによく外に出られるもんだ、まったく……」 そういう自分は口元に真っ白で立派なひげを蓄えている。付け髭やけどな。 「師匠何飲む?」 師匠の手元にあったメニューをひったくり広げる。 「いらっしゃいませ」 「あ、ビール2つね。あとは適当に……あ、堅いものダメね。じいさん噛み切れないから」  ハッシー師匠との付き合いも10年近くになる。俺の事務所の社長、お笑い芸人の元たらこ男爵、通称男爵社長の師匠にあたる人だ。 「ほんとうにお前はせわしない男だな」 「うん、はいはい。焼こう焼こう」 おしぼりで手を拭きながら、エプロンを装着して臨戦態勢を整える。  気難しいと評判のハッシー師匠と俺が、こうして付き合いが続いているのはほんまに不思議や。こんなに雑に扱っていても、2,3か月に一度こうしてお呼びがかかる。
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