STARDUST

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 師匠はたいてい、俺が好き勝手に飲み食いしている横で今のお笑い界に関する愚痴をこぼしている。誰それの態度が傲慢だとか、礼儀がなっていないとか。それが一通りめぐると、今度は過去の栄光だ。そこを潜り抜けて、ようやく本題にたどり着く。 「お前、今日はやけに肌艶が良いなあ」 「お、わかっちゃう?」 「これやろ」 そう言って小指を立てるので、俺も真似をする。 「これや」 「ほう……」 師匠がぐっと身を乗り出してくる。 「昨日なあ……って、じいさんあんまり近づくと燃えるで。ただでさえカラッカラッなんやからな、火い着いたらボッやで」 「うるさいな、貴様」 師匠がおしぼりを力いっぱい投げつけてくる。  昨日のことだ。  ケチャップが切れたといので、俺は近くのコンビニまで買いに出かけた。なんとか口実を作ってこはだの両親から逃げ出したかったので、俺は小躍りして玄関に向かった。  コンビニだけで帰るつもりなんて毛頭なくて、駅前のチェーン店の居酒屋のカウンターに腰を下ろした。2、3杯飲んでさっさと帰るつもりやったんや。
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