STARDUST

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 白玉を堪能している師匠を眺めながら、俺の意識は昨日の彼女にあった。  ゆりあ、と名乗った彼女は23歳の保育士で、既婚者だった。夫の浮気を知り、自分も同じことをしてやるつもりでマッチングアプリに登録したのだけれど、いざとなると足がすくんで後悔してたのだと力なく笑っていた。 俺もおなじやった。彼女に腕を引かれて逃げてはきたけれど、いざとなったらどうしてもこはだの顔が浮かんで、コンビニの缶ビールで乾杯するのが精いっぱいやった。 どっちから誘ったのか、もう覚えてへん。どこのホテルやったのかもわからへん。  もう2度と会わなければええやん。今日だけや……いや、今だけ。今だけ良ければええねん。ここを超えてしまえば、また明日から普通の顔して暮らしていけるはずや。  きっと彼女も同じような思いだったはずや。  せやのに、なんやこの経験したことないけだるさは。これが罪悪感なんやろか。いや、それとはまた違う感覚や。 「こんな爺さんをそんな色っぽい目えで見つめても、何も出てきやしまへんのやで」  師匠にそう笑われてはっと我に返る。 「昨日の女に会いたくてたまらんのやろな、下半身がうずいてしゃあないのやろ」
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