片道一時間

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早朝、七時。 通学バスに揺られ運ばれ、学校へゆく。 一人だけの時を過ごす、至福の時間。 ヘッドフォンを耳に当て、窓を眺めて、黄昏れて。 そっと開いたままの単語帳を横目に、君の事を考える。 もしも、電車通学だったなら。 そしたら、偶然を装って、一緒に通学できたかしら。 もしも、同じクラスだったなら。 そしたら、授業中にこっそりと君のことを見つめられたかしら。 イフの事ばかり考えてしまう。 そのうち、学校につき、考え事は終わる。 どうか、どうか、 その中の”もしも”の一つくらい、叶いますように。
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