いつか

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脈ありとか、脈なしとか、よくわかんない。 だって、ぜんぶ、はじめてだから。 誰か好きーとか、誰々がイケメンーとか、 昔からよくわからなくて。 聞き役にばっか、まわってた。 恋してる女の子たちは、みんなキラキラしてて。 そんな彼女たちのようになりたくて、恋に恋してた。たぶん。 ーーー昔から、少女マンガが好きだった。 キラキラしてて、憧れで。 いつか、白馬の王子様じゃなくても、 素敵な人とであって、恋に落ちるのを夢見てた。 素敵なラブストーリーを夢見てたの。 いろんな人に告白されても、いまいちピンとこなくて。 憧れが大きかっただけに、 一生恋なんてできないのかな、なんて思ったりもしていた。 君と出会ってからも、 急に世界が変わるだなんて漫画みたいなことはなくて。 自分でも、これが恋だなんて、思ってもなかった。 私が君に恋するなんて、想定もしてなかった。 でも。でもね。 気づいたら目で追ってたり、後ろ姿を見かけて喜んだり。 LINEのトークも見返して、ストーリーの閲覧も見返して。 君が他の人と楽しそうに話してると、 少しだけ、妬いてしまったり。 友達に「ほんとあいつのこと好きだよね」って言われて、 びっくりしたの。 え、ってなった。うまく言えないけど。 ずっと前からあったようなモヤモヤが、 とんって、軽くなった気がした。 そっか、これが恋なんだって、初めて気づいたの。 恋って自覚しても、何も世界が変わることはなくて。 脈はあるのかな、とか、ないのかな、とか、全然わかんなくて。 ただ、私にだけ向けるその笑顔が、 相槌を打つ時に小さくうんというその癖が、 一緒に帰るときに歩幅を合わせてくれるその優しさが、 どんどん君への想いを加速させていって。 君は私のことを、どう思ってますか? いつか私の告白を、受け止めてくれますか? ……いつか、好きになってくれますか? ねえ神様。 いつか、いつか、この恋が、この初恋が、実りますように。 なんてね。
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