1人が本棚に入れています
本棚に追加
脈ありとか、脈なしとか、よくわかんない。
だって、ぜんぶ、はじめてだから。
誰か好きーとか、誰々がイケメンーとか、
昔からよくわからなくて。
聞き役にばっか、まわってた。
恋してる女の子たちは、みんなキラキラしてて。
そんな彼女たちのようになりたくて、恋に恋してた。たぶん。
ーーー昔から、少女マンガが好きだった。
キラキラしてて、憧れで。
いつか、白馬の王子様じゃなくても、
素敵な人とであって、恋に落ちるのを夢見てた。
素敵なラブストーリーを夢見てたの。
いろんな人に告白されても、いまいちピンとこなくて。
憧れが大きかっただけに、
一生恋なんてできないのかな、なんて思ったりもしていた。
君と出会ってからも、
急に世界が変わるだなんて漫画みたいなことはなくて。
自分でも、これが恋だなんて、思ってもなかった。
私が君に恋するなんて、想定もしてなかった。
でも。でもね。
気づいたら目で追ってたり、後ろ姿を見かけて喜んだり。
LINEのトークも見返して、ストーリーの閲覧も見返して。
君が他の人と楽しそうに話してると、
少しだけ、妬いてしまったり。
友達に「ほんとあいつのこと好きだよね」って言われて、
びっくりしたの。
え、ってなった。うまく言えないけど。
ずっと前からあったようなモヤモヤが、
とんって、軽くなった気がした。
そっか、これが恋なんだって、初めて気づいたの。
恋って自覚しても、何も世界が変わることはなくて。
脈はあるのかな、とか、ないのかな、とか、全然わかんなくて。
ただ、私にだけ向けるその笑顔が、
相槌を打つ時に小さくうんというその癖が、
一緒に帰るときに歩幅を合わせてくれるその優しさが、
どんどん君への想いを加速させていって。
君は私のことを、どう思ってますか?
いつか私の告白を、受け止めてくれますか?
……いつか、好きになってくれますか?
ねえ神様。
いつか、いつか、この恋が、この初恋が、実りますように。
なんてね。
最初のコメントを投稿しよう!