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高校に入学したてのなおみが、入学したことを報告に一係に来ていた。
なおみ
「こんにちは」
西田
「やぁ、なおみちゃん」
西田は、なおみが中学3年生の時に港署に赴任して来た。なおみを一目見て恋に落ちた。
この時西田は刑事になりたてだった。
西田
「どうしたの?その服」
なおみ
「今日から高校生なの。学校の制服よ」
西田
「か、可愛い!」
なおみ
「そうでしょう。この服が着たくてこの学校に入ったんだもん」
野崎
「よく似合ってるじゃないか」
なおみ
「あっ、そうだ。パパに見せに行くんだった。帰りにまた寄ってもいい?」
西田
「うんうん。寄って。もっとなおみちゃんとお話ししたい」
なおみ
「なははは」
西田が赴任して以来、いつもこんな調子である。
なおみは、署長室に来た。
なおみの父親は、港警察署長の英雄である。
なおみは、ノックをしながら声をかけた。
なおみ
「パパ、なおみです」
英雄
「入りなさい」
なおみ
「失礼します。パパ、見て。高校の制服」
英雄
「おお、よく似合ってるじゃないか。では、このまま墓参りに行くか」
なおみ
「うん。早くお父さんに見せてあげたい」
英雄
「そうだな。神田のやつも喜ぶよ。ママはどうした?」
なおみ
「なんか、買い物に行くとかで途中で別れた」
英雄
「そうか。じゃぁ、今夜はご馳走かな」
なおみ
「だといいなぁ」
英雄
「じゃぁ、行くか、墓参り」
なおみ
「あっ、一係にまた寄るって言っちゃった」
英雄
「私も用事あるから行こう」
一係。英雄がノックして入る。
英雄
「失礼するよ。書類を持ってきた」
藤本
「あ、署長。ありがとうございます」
西田
「あれ?署長、なおみちゃんは?」
英雄
「いないか?一緒にきたはずだが...」
西田が廊下に出てみると、なおみは警ら課の吉田と仲良く話していた。
西田
「何やってるんだよ」
なおみ
「あっ、ごめんなさい。久しぶりに吉田さんに会ったから、つい話し込んでしまって」
西田
「吉田、いつからなおみちゃんと仲良いんだ」
吉田
「いつって署のイベントとかで一緒に働いたからよく知ってるんですよ。西田さん、あまりイベントに参加しないから...」
西田
「なおみちゃんは俺の彼女だから、軽々しく話し込んでもらったら困るよ」
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