夕陽の中で 番外編

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孝行 「何って、欲しいものないし」 なおみ 「困ったなぁ。あっ、一係に行って情報もらってこよう」 一係な着くと、いつものように西田が構ってきた。 西田 「なおみちゃん、今日はどうしたの?」 なおみ 「ちょうどよかった。西田さんに聞きたいことがあるの」 西田 「なになに?」 なおみ 「明日竹本くんの誕生日なんだけど、何も欲しくないって言うし、何をプレゼントしていいかわからなくて、西田さんにアドバイスもらおうと思って...」 西田 「嬉しいこと言ってくれるじゃない。野球部だろ?グローブでいいんじゃない?」 なおみ 「グローブって、私のお小遣いじゃ買えないし、好みもあると思うから...」 西田 「そっかぁ」 なおみ 「タオルじゃ安すぎるし...」 西田 「なおみちゃん、刺繍ってできる?」 なおみ 「まぁ、できなくはないけど...」 なおみ 「フェイスタオルに、名前を刺繍でつけるのは?」 なおみ 「あっ、いいかも。安いタオルだとダメだから、グランド物のタオルにして、お店で刺繍してくれないかなぁ」 西田 「有料かもしれないけど、やってくれると思うよ」 なおみ 「西田さん、ありがとう。早速行ってくるね」 西田 「俺、役に立てたかなぁ」 なおみ 「もう充分に」 次の日、なおみは、始業前に孝行にプレゼントを渡そうと思って、少し早く学校に登校した。 しかし、孝行は風邪で学校を休んだ。 朝の会でそのことが担任から言われた。 放課後、担任からプリントを孝行の家に持って行くように言われた。 なおみ 「こんにちは」 孝行の母勢津子が出迎えた。 勢津子 「あら、なおみちゃん」 なおみ 「竹本くん、具合どうですか?先生に言われてプリントを持ってきたんです」 勢津子 「ありがとう。部屋へ案内するわね」 なおみ 「はい」 孝行は、熱を出してぐったりしている。 勢津子 「孝行、なおみちゃんがお見舞いに来てくれたわよ」 孝行 「...」 勢津子 「あら、寝てるのかしら」 なおみ 「竹本くん?」 孝行は、なおみの声を聞いて、意識を取り戻した。 孝行 「なおみ?」 なおみ 「竹本くん、大丈夫?いつも元気なあなたが風引くなんて...」 孝行 「うるせー」
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