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孝行は、なおみが見舞いに来たことが恥ずかしくて、照れて言った。
なおみ
「これ、先生から預かってきた。連絡事項だから、帰りにおばさんに渡しとくね。それと、これ、せっかくの誕生日なのに熱出すって...。日頃の行いが悪いからそうなるのよ」
孝行
「なんだよ、これ」
なおみ
「ささやかだけど、誕生日プレゼント」
孝行
「あ...、ありがとう」
なおみ
「大したものじゃないから」
孝行は、中身が何かわからないが、なおみからのプレゼントだからと、大切に使うことにした。
なおみ
「明日は学校行けそう?」
孝行
「熱が下がればな」
なおみ
「そっかぁ。まぁ、とにかく暖かくして、汗かきなさい。汗かいてしっかり汗拭いて、安静にしてたら治るから」
孝行
「ああ」
なおみ
「じゃ、あまり疲れさせてもダメだから帰るね。お大事に」
孝行
「サンキュー」
部屋から出て、勢津子にプリントを渡し、竹本家を後にした。
翌日、孝行は元気に学校へ登校した。
放課後、孝行はクラブに出たが、大事を取って見学をしていた。そこへなおみとこずえが野球部の見学に来た。
なおみ
「竹本くん、クラブやってるのかなぁ。病み上がりだから、今日は休んだほうがいいのに」
2人は帰る時、いつも野球部のグランドの前を通って帰る。
こずえ
「ベンチに座ってるのそうじゃない?」
なおみ
「あっ、よかった。昨日39度の熱出したんだって」
こずえ
「それでよく今日登校できたわねぇ」
なおみ
「昨日私が熱の下げ方教えてあげたから」
こずえ
「熱の下げ方?」
なおみ
「うん。汗いっぱいかいて、体拭いて着替えてまた寝るの。翌朝には下がってる。私はいつもそれで元気になるよ」
こずえ
「すごーい!私も真似しよっ」
孝行がなおみたちに気づいた。
孝行は、なおみから誕生日プレゼントにもらったタオルを早速使い、なおみに見せていた。
なおみ
「あっ」
こずえ
「どうしたの?」
なおみ
「竹本くん、昨日誕生日だったの。私があげたプレゼント使ってくれてる」
こずえ
「へーって、あんたたち本当に付き合ってないの?」
なおみ
「付き合ってないよ。竹本くんは、小さい頃から仲良しなだけ」
こずえ
「じゃぁ、今好きな人は?」
なおみ
「...いない。初恋もまだ...」
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