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二つ目のサンドイッチを食べていた。 周りに寄ってきた数羽の鳩にパンをあげようとして ちぎって近くに投げた。 鳩はついばもうとしない。 気づかないの?ともう2,3投げた。 ―― 傾げてパンに目がいったのに、鳩は興味示さないし、ただ私のまえにいるだけ。 ―― 鳩のする、地面をつつくようなこともしない。 「なんか、変」 スズメが耳もとを掠めて、はっとする。 風切る音が聞こえるぐらい近い。 今度は目の前をスズメが、シュッと飛ぶ。 危ないぐらい近い。 思わず立ち上がった。 急に風が強く吹いて、ビワの葉が激しくぶつかり音を立てて枝がゆれている。 「イソイデ」そうきこえた。 「ハヤク、イソイデ」 「何?」 彼女は走り出していた。
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