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「それでは、引き続きよろしくお願いいたします」
一時間ほどの打ち合わせを終え、小鳥谷さんがオフィスを去って行った。最後の最後まで、後ろ姿にもキラキラのエフェクトを残して。
見送りが終わったあとでオフィスに戻ると、最初に部屋を案内した中里ちゃんが、未だ興奮を抑えられないといった様子で近づいてきた。
「とんでもないイケメンでしたね! なんかもう、キラキラ~ってオーラが!」
やはり彼がキラキラして見えるのは、私だけではなかった模様。中里ちゃんが言うのだから、間違いない。
「うん、確かに。仕事もできるって感じだったね」
「東京ってあんなイケメンがたくさんいるんでしょうか……。ぜひ、一度飲みに連れてってもらいたいくらいです……!」
「はは、そうだね~」
特別後ろめたいことはないけれど、念のため明日のことは伏せておいて――
「涼しい顔して。社長、小鳥谷さんとコソコソやりとりしてませんでした?」
真顔でツッコミを入れたのは、隣にいた葛巻くんだ。
「え!?」
「後で連絡します~とか、楽しそうに話してたじゃないですか」
「ちょっと何ですかそれ! 社長、抜け駆けですか!?」
隠すも何も、葛巻くんにはバレバレだったらしい。やはり隠し事は良くないと反省しつつ、先ほどの出来事を話すことにした。
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