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アパート前にて
簡素なアパートに西日が差している。
そこに帰ってきたのは、二十代半ばに見える女性。
クールビューティな彼女――あまねは、今、外階段に足をかけた状態で口をあんぐり開けていた。
アパート脇のブロック塀に、何かがくるまった布を見つけたからだ。
淡い七色を閉じ込めたような、見事な絹織物である。近づいていくと、その中で小さな男の子が眠っているではないか。
「あれまぁ、気持ちよさそうに」
呆れたように呟きながら、その目は綺麗な布に釘づけになっていた。
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