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王様ゲーム
「んじゃあー、2バンがぁ、8バンとぉ、ポッキー両端から食べながらチークダンスっ」
番号を書いた紙を2枚引いた王様が、番号と命令を口にした。
「チークダンスって何?」
「頬を合わせて踊るの」
「頬合わせてたらポッキー食えんことない?」
なんだかわけのわからないノリでスタートした王様ゲームは、当然エロい方向へ傾いていく。
男女交えて総勢15人。
それまでは、まあ、まだ肩もむとか、ハグとかって緩い範囲だったんだ。
が。
2番がカズで、樋口が8番だったこの回。
ベロベロによってた2人が、ベッタリと抱き合って踊り、ポッキー無くなった後も勢いのまま唇を重ねてべロチューしやがったもんだから、もう、大盛り上がり。
男同士での体を張った命令遂行を目の当たりにしたせいでか、なんとなく女の子のガードまで下がり、肩揉みは乳アンド尻揉みに、ハグは熱い抱擁に。
キスに至っては頬とかおでことか吹っ飛ばしていきなり口づけのご命令と相成った。
当然男女なんて関係ないから、男同士、女同士の絡みも目にすることになり、エロの流れを作った二人や他にも何人か酔い潰れて脱落すれば、おのずと番号を呼ばれる機会が増えることになる。
俺としてはぜひ絆との絡みを実現したいとこだけど、加治さんが王様の時に読み上げられた俺の相手は加治さん彼女で、しかも腰抱いてプレッシャーキス、なんて。おいおいだろ。
申し訳ない気持でいっぱいになりながら唇を押し当てたら、彼女は「山登くんのファンなの。すごく嬉しい。エッチしない?」なんてとんでもないセリフ囁いて、舌入れてきたから慌てたわ。
彼氏やきもち焼きって感じのこと言ってたのに。
今回の宴は加治さん持ちなわけで、ここで臍曲げられて支払なんか知るかって話になったら他に迷惑かかるだろ。
情けないけど、そこら辺は太鼓持ち。
なんとか加治さんのご機嫌をうかがわねばと思った矢先、絆とのべロチューを引き当てたのを見て、そんな気分は霧散した。
隅っこで女の子と乳繰りあってんのがレズの絡みみたいになってた絆は、ノリノリで加治さんの首に腕をまわし、唇をよせる。
俺は、その瞬間、目を閉じた。
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