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「6番と12番が、3分ベロチュー」  来たっ!!!!  待望の組み合わせ。  ガッツポーズを堪えて、腕にすがる彼女を引きはがすと椅子から立ちあがる。  が、だ。  それまでへらへら笑ってのに、べロチューの命令を受けた相手が俺と知った瞬間、絆が素になった。  は?  なんだ、それ。  今の今までノリノリで、誰とでも舌絡めてたくせに。  なんで、俺にはそんな顔?  カチンときて、むかついて、絆を強引に立たせると、片手で腰を引き寄せ片手で頬を固定し、ひき結ばれた唇に舌をねじ込んだ。 「うっ…んっ…」  ピューと、口笛の混ざった冷やかし。  腕で俺の体を押し返そうとするのを逆に抱き返す。  気持ちなんてこもってない、酒に酔った悪乗りのキスに見せかけて、口内を舐りあげた。  声なんて出させないくらいの深い口づけ。  怯える小動物みたいに縮こまった絆の舌を吸い上げ、絡みとり、擦ってはまた吸ううちに、絆の体から力が抜けていく。  やがておずおずと、絆の舌が己の意志を持って動き始めた。  離れない唇の奥で唾液をかき回し、お互いを探るように。  逃がさないとばかりに。  生き物みたいに絡み合う二つの舌。  ああ、やばい。  気持いいとか、もう、そんなもん、超越してる……。 「…ふ……んっ…」  酸素を得る為に鼻を抜ける呼吸の甘さに、たまらず絆の髪をかき乱す。  背に回された絆の手が俺の背中をギュッと掴むのに、押し倒し、突き進みたい衝動だけが俺を塗り込めた。  絆と繋がりたい。  絆と、一つになりたい。  絆を、食い尽くしたい。
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