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事故の原因
「てめえのせいでテンぱって、判断鈍ってよけそこなったんだっ!!」
「…ちょ…きず……いてっ! いい加減にしろ、絆っ」
「トマが意識ない重体ってのに、てめえはのんきにライブかよっ!!! ふざけんなっ!!」
「ちょっとあなたたちっ! 警察呼ぶわよっ!」
「金森さん、そこまでは───」
「ちょ、チバさん、悪い。内輪揉めだから、ここ、俺に任せてもらっていいかな?」
駆け付けてきたルチアのリーダー小林くんが、施設側の若い兄ちゃんにそんなふうに声をかけるのを横に聞きながら、俺はいよいよ静まらない絆の肩を強く掴んで半身を俺の方へ向けさせた。
「絆っ! 絆っ!! 聞けって言ってんだろっ!!」
普段なら絆に対して声を荒げることなんてない俺のめずらしい恫喝にひるんだのか、やっと動きを緩める。
「トマを車で轢いたのはオガか? 違うだろっ!! おまえ、やりすぎんなんだよっ」
「だってっ!! こいつがトマのオンナ食わなきゃ、トマは絶対そんな事故にあってないっ!!」
なんともまあ修羅場的な言葉。
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