不埒なご愛嬌

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不埒なご愛嬌

 めでたくもトマの意識が戻り、面会に行こうってことになった。  本当は絆と二人で行きたかったけど、都合の悪いことに、連日絆と過ごしたことで溜まった熱を放出するべく、例の、トマと会った乱パの日にいた女の子レナとデート後の朝だったもんだから、トマと面識がないでもないレナもついてくると言い出した。  断ろうとしたのに電話口でそれを耳にした絆が、じゃあレナ車持ってるから送ってもらえるな、なんて言うもんだからもうしょうがない。  で、包帯に巻かれて、なんか男前が増したトマと会った瞬間、絆が若干目を潤ませてトマをハグするのに複雑な気持ちになったのは、トマが元気に憎まれ口の一つも叩いてくれたからだ。  どうこうなってたら、それどこじゃないからな。  のど元過ぎればなんとやら、だ。  だからトマの検査の為、それはそれは仲良く連れ立って病室を出て行ったのにヤキモチを妬かなかったなんてつまんない意地を張るつもりはない。  レナと二人残されて、如何に昨夜の行為がヨかったかと感想を述べられ、首筋に指を這わされ、夕べの酒も抜け切らないとこにキスを仕掛けられたら腹立ち半分、もうヤケクソだろ。  だってそこにはベッドがあるんだから、検査に大体小一時間といわれたら、その間で迎えられるクライマックスを模索もする。  そして絆が戻ってきたのは、一時間よりもずい分早く、俺がなかなかいけずに俺の上に跨ったレナの腰を突き上げてたとこだった。 「山登っ」  その声を耳にした瞬間達したのはご愛嬌ってもんだ。 
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