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練乳は豪勢なオカズ
「えへ。ラッキー。わあ、なんか温めろってさ」
俺の企みも知らず無邪気にパッケージに書いてある通りに、白くて、先がピンクがかったほっそりした指でアイスを包んだ。
「こんなん初めてだ」
ずきん。
妄想を刺激する言葉に、俺の従順な下半身がざわめき始める。
「ちょ、山登っ、なんか、ネチャってしてるぅ」
ペリペリと開封していくと、捲り取った紙のパッケージをつまみ上げ、そにベッタリとついた粘り気のある乳白色のアイスに舌を這わせた。
ぬわぁっ。
舌がっ
赤い舌がぁっ。
ちきしょ──────!
アイスのパッケージになりてぇっ─────!
「めちゃうまぁ」
フニャリと笑って、唇の端についた乳白色のそれを、負けないくらい白い指の甲で拭った。
「わ、これ、どうしよ」
アイスを舐めとった蓋の部分を持て余すように持ち上げる。
「はい。こ……」
声が上擦りそうになったから、慌てて口をつぐんでティッシュを差し出した。
「ありがと山登」
乳白色。
ティッシュ
乳白色
ティッシュ
……やばい。
絆は赤い筒を両手の指で押さえるようにすると、剥き出しになったアイスに向けて、あぁんと口を開ける。
先端をパクリと可愛いお口に含んだとたん、思わず小さく身震いしてしまった。
口を少しすぼめるようにしてニュッと吸い上げ、一旦口を引き上げると、ほぼ唇全体についたような乳白色を、ペロリと舐め上げた。
ズギューン!!
そんな擬音が聞こえた気がするほどの攻撃力だった。
「山登ぉ、これ、おいしぃ」
わかってる。
わかってるから。
うん。
絆はごく普通にアイス食ってるだけだって。
わかってるけど、俺の股間はイマジネーション豊かだから、ああ、そんな風に尖らせた舌で舐め掬ったり、筒を扱くみたいにチューチューされたらぁっ……!
「ぁあん山登ぉ……ベトベトになっちゃた」
──とんでもなく豪勢なオカズ。
耐えきれなくて先に便所でつまみ食いをしたのを皮きりに、その晩は二回ほどおかわりをすることとなった。
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