不名誉なあだ名はお前のせい

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不名誉なあだ名はお前のせい

「勝手なんだよっ!! 口ばっか。結局ヤれりゃ、それで良かったんだ!! あいつはそれでよかったかもしれないっ! けど俺はっ! そうじゃないっ! けど、それは、俺のせい。だってそうだろ? 俺じゃなきゃ、あんなことに、なってない! そんな目でみたりしないっ!! 俺がこんな見た目だから、俺は端から男の友情の枠に入らないっ!」  そこら辺の女の子よりもよっぽど上等な容姿に独特の色気。  仲良けりゃ仲がいいほど、その毒に、当てられる。  俺は。  もうずっと。あてられっぱなし。 「こらこらこら。ちょっと落ち着け。さっきから、おまえ、普通に語ってくれてるけどさ。お前のガッコが男子校だから色々童貞的なものをこじらせてるだけであってだな。いくらお前が可愛いくて綺麗で美人でも、男が男に、とか、ないから」  嘘。 「お前、ひょっとしてこないだ俺がちゅーしたこととか、勘違いしてない? 自惚れ系? 勘弁しろよ。酔ってたし、だいたい、ねちっこいのシてきたの、お前だからね」  半分嘘で、半分本当。 「女の子がいいに決まってんだろ? 今、俺、巷でカサやんって呼ばれてんだぞ」  それは本当。 「…………なに、それ」 「カサノヴァ型の略。ググってみたら、不特定多数の相手と性的な快楽を追及しようとする男子色情狂ってさ。笑えねーわ。  いや、まあ、要は俺は女の子が大好きで、おっぱい命で、中央に出っ張りは要らないって話!」  嘘。  カサノヴァ型ってわざわざ型つけたのは、カサノヴァってイタリアの人は、男とも経験があったらしいから。 「乱交えっちとか当たり前にやってたから、今更、キスのこと、そこまで気にしてるとか、思ってなかった。ごめん。とりあえず、謝っとくわ」   俺は、ずっと、お前とシてたけど。  その気持ちを、伝えるつもりだったけど。  「俺は男。お前も男。恋人にはならない。だろ?」  ドアがあって良かったと思う。  多分俺は今、痛そうな、泣きそうな顔をしてるから。  
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