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盲信からのなし崩しの恋
「親が離婚するとき、俺結構キてて、かなり凹んでたんだわ。そしたら尊敬してた先輩が凄い元気づけてくれてさ。嬉しかった。
勉強も、スポーツも何でもできる優等生で、カッコよくて、そんな人が俺にかまけてくれるのも、鼻高々って感じ。まだ中学生だった俺には高等部のあの人はオトナで、盲信、だったと思う」
おにぎりを半分ほど口にして、ぽつりと、絆はこれまでの経緯を話し始めた。
「だから……押し倒されたときは本気で抵抗できなくて、強引に最後までヤられて……結局、なし崩しに付き合うことになったわけ。
まあ、最初のうちは楽しかったよ。セックスはそんなに好きじゃなかったけど、優しかったし」
母親に遠慮して、父親の親友の息子である俺と律儀にも連絡を絶ってた頃だ。
俺は絆の意思を尊重したけど、こんなことなら連絡もガンガンしとくんだった。
さみしいとか、思わせないほどウザイくらいに。
けど、怒りや後悔が浮かぶと同時、やっぱヤってたんだなんて確信に、男と絡み合う絆の色っぽい姿を浮かべる俺はクソ野郎だ。
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