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守りたい存在
「倉持さんの彼氏、どんな感じ? 同い年?」
「……一つ年上の大学生で、今、遠距離中」
知ってるけどね。
なんなら、君の彼氏は男をレイプしたんだよってぶっちゃけたいくらい。
「カッコイイんだろうなぁ。優しい?」
「うん。でも、最近会えないから……」
「さみしいね。俺なら絶対こんな可愛い彼女放置して行けないなぁ。つか、俺の方がさみしくて死ぬ」
頬杖をついて口を尖らせ、カワイコぶりっ子。
俺みたいな奴が本気でやったらドン引きのポーズも、ネタと思えば可愛く映るらしい。
「あーあ。彼はぜったい死なないなぁ。私と会えなくても、平気みたいだから」
「そんなことないでしょうよ」
「あるよ。電話しても繋がらなくて、折り返しもくれないし」
「倉持さんの声きいたら、会いたくなるからだろ、きっと」
半身を捻るように百合の方へ向いて、ただただ優しい笑顔を向けてやれば、百合が照れくさそうに頬を緩めて俯いた。
可愛い可愛い女の子。
男に、守ってやりたいと思わせるような子。
けど生憎、俺が守りたいのは、絆、だ。
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