溢れる残滓

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溢れる残滓

 盛りに盛って、目が覚めたのは昼すぎ。  なんたって新聞配達の人が郵便受けに新聞突っ込んでるとき、俺はまだ百合に突っ込んでたからなぁ。  まだ眠り足らないけど、さすがに腹が減った。  百合はまだ寝てて、人の家の食いものを勝手に物色するわけにもいかないし、はてどうしようと思案してたら、気配に百合が目を覚ました。 「おはよ」  百合の髪の束をすくって笑顔であいさつすると、百合は少し顔を赤らめて布団を口元まで引き上げ、小さな声でおはようと返した。 「お水、飲む?」  ベッドの下に転がってた半分になった水のペットボトルを差し出すと、小さく頷き、俺とはぎこちなく目をそらすようにして体を起こした。  その時、こめかみを押さえて唸った百合は、どうもまあまあの二日酔いに見舞われてるらしい。 「腹減らない? 飯食いに行こう」 「あ、だめっ! 近所の人に見られるかもしれないから、明るいうちは外に出ないで! ごはん、私何か用意するからっ! まっててっ!! あ、シャワー、使うでしょう?」  はは。旦那のいない間に人妻と関係を持つ間男みたいだ。  パジャマの上だけをはおり、慌ててベッドから降りた百合。 「……あっ」  急に動きを止めたからどうしたのかと思ったら、むき出しの太ももを半透明の白いモノが伝ってるのが見えた。 「はは。シャワー、お先にどうぞ」  百合の家にはゴムが常備されてなかった。  俺の手持ちは1枚。  一回済ませて、最近ピルを飲み始めたと聞かされて。  結果、若い二人にとって、初めてのゴムなしセックスはあまりに強烈で、止まれませんでした、と。  うん。あれは、やばかった。むき身の気持ちよさは異常。  そりゃ古来から子孫が絶えなかったはずだわ。  やっちゃうもん。  俺にだってちゃんと理性ってもんは備わってるから、今まで生セックスなんてしたことなかったわけだよ。病気も怖いし妊娠なんてしたら、お互いまずいから。    ピルの効果とか、半信半疑だし。  でも、ねえ。
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