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「どうぞ、お掛けになって」
先に奥のソファに座った超お嬢は、自分の正面の席をアナベルにすすめた。
アナベルが着席するのをじろじろと見ている。アナベルも負けじと超お嬢を睨みながら座った。
アナベルが席に着くと、超お嬢は口を開いた。
「あなたがライオネルの呪いを解いたのなら、呪いのことはお聞きになっているわよね?」
「はい」
「わたくしは達はね、互いに八歳の頃から婚約者としてずっと一緒にいた。仲も良かったと思う。なのにモニカが現れて……その仲は引き裂かれた。あの時は……嫌がらせをされていることをライオネルに信じて欲しかった。たけど、何度言ってもライオネルは信じてくれなくて、本当に絶望した」
超お嬢の目が潤んでいるように見えた。
(好きな人に信じてもらえないのは辛い。ほんとクソ。その時のライオネル)
アナベルはうなずいた。それに関しては同情する。
だけど、その頃の二人に信頼はあったのだろうか? 信頼し合っていれば、もしかしたら……。そう考えると、ライオネルだけが悪いとも思えない。
「だから、罰として嫌われもののねずみにしてやった。いじめられる苦しみを知れ! と思って呪ってやったわ」
(こわっ……!)
「苦しみの末、反省したライオネルがわたくしのところに来たならば、わたくしの真実の愛で呪いを解いてやるつもりだった。わたくしは、今でもライオネルを愛していると証明するつもりだった……!」
「えぇっ! そっち!?」
超お嬢がアナベルを睨んだ。言葉遣いが悪かったようだ。
「……なのですか」
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