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超お嬢はアナベルの胸ぐらをつかんでいた手を放すと、その場に泣き崩れた。
「どうして……。お父様の髪を贄にまでしたのに……! 悔しくないのですか!?」
「なっ! それでいきなり無くなったのか!?」
超お嬢の父親は頭に手やり、ツルツル具合を確かめた。
(お気の毒に……見事にツルツル)
「ちょっと失礼します」
アナベルはお節介かもと思いながら、父親の頭に触れ、髪の毛を生やそうと試みた。
「残念ですが、全ての毛根が死んでいるようです」
(呪いこぇぇぇ!)
「そうですか……」
父親は改めてアナベルに頭を下げた。
「アナベル殿、娘が申し訳ありませんでした。私の命の恩人にこんな仕打ちを……。いかなる罰も受けます。受けさせます! おっしゃってください」
「罰などとんでもない! 望んでいません」
「お前も謝れ!」
父親が超お嬢の頭を押す。
「嫌よ!」
アナベルは自分から頭を下げることにした。
「お嬢様、すみませんでした」
喧嘩になったのにはアナベルにも原因がある。
アナベルを見た超お嬢は、口を震わせ激しく泣き出した。
「わーん」
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