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アナベルは自室に戻り入浴をしていた。
夕食後はアナベルの部屋でライオネルと一緒に過ごす事が多いが、今日は忙しいのかライオネルは部屋に来なかった。
何となく、何となくだけれど、いつもより丁寧に体を洗った。
洗いながら、アナベルはずっと考えていた。
素直にならなければ──と。
でも、いざライオネルを前にすると、色んな気持ちが混ざって、なってなかなか素直に言い出せないでいる。
でも、素直になれないせいで、ライオネルを失うのは嫌だ。
それに──……ライオネルにたくさん触れて欲しい。触れたい。以前よりずっとそう思う。
(あのたくましい体に抱かれる?)
アナベルの脳裏に何度も見たライオネルの裸が甦った。しかも裸のライオネルが迫ってくる。
「……ぎゃっ!」
想像しただけで体が熱くなっていく。入浴中とあって、今にものぼせそうだ。
(もうやだ……。 考えるな! あるでしょ! 抱かれるだけならすでに何回かあるでしょ──!)
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