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王道転校生
「はぁ〜〜〜やぁっと終わったんじゃ〜〜」
「そんなのでバテてて大丈夫かしら?ほら、早く立ちなさい。大牙迎えに行くわよ。」
ようやく四限が終わるチャイムが鳴る。
今日は四限までこいつと一緒の授業だったから大牙には食堂に行くという旨のLIMEを入れておいた。既読ついてて返信はないが無言は肯定と見なす。異論は認めない。
大牙も食堂は好きじゃないが俺1人に晴人の相手は無理。強制的に犠牲になってもらおう。
「大牙氏〜?迎えに来たでござるよ〜!」
「あ?水川か……何かあったか?」
「ちょっとぉ、LIME入れたわよね?今日は食堂に行くわよ」
「は?何で俺が…」
「晴人ちゃんが転校生を見たいってうるさ……んんっ、オネダリするもんだから〜。せっかくだからアタシ達も行きましょ?」
「は?こんな時期に転校生?」
「どうやら理事長の甥の訳あり君ですな!」
「チッ……俺は行かねぇぞ…」
「もぉ〜そんな冷たいこと言わないでちょうだい!つべこべ言わずに行くわよ!早く行かないと席無くなっちゃうんだから!」
「え、あ、ちょ…ッ!引っ張んな!」.
てってれー
▶大牙を強制連行することに成功した。
両脇を俺と晴人が固めズルズルと引っ張っていく。途中で諦めたように歩き出したところで手を離して解放してやった。
俺も仕事を減らす為に仕方なくなんだ…許せ大牙。そういえば晴人もこう見えて情報委員会に所属している。今日の会議には出ないつもりなのか。仕事を任せる以上確認しなければ。
「ねぇ、そういえば晴人ちゃん、あなた今日の六委員会には出席しないの?もしそっちがあるならちゃんと優先してちょうだい」
「いやいやいや、俺氏幽霊委員だからwww
心配しなくても暇だもんできっちりお手伝いしますぞ〜」
「そう。じゃあ後で仕事内容は送っておくわ。よろしくね。」
「あぁ、そうそう、橘氏、今日は他部員の同伴可であるから副委員長でも連れてくといいでござるよ〜。」
「え?いや、別にいいわよぉ?あの子に悪いじゃない」
「……いや、連れてけ。ただでさえ新歓の準備期間は荒れやすいんだから何があるか分かんねぇ。あいつがいたら大丈夫だろ」
「……そうね。今日は何があるか分からないものね。佐久間ちゃんには悪いけど声をかけておくわ。」
「うむ、それがいいですな〜」
そうこうしてるうちに食堂の前に着く。
金持ち校の食堂だけあって敷地がデカく扉もデカい。坊ちゃん達は自炊なんてしないから必然的に購買や食堂のお世話になる為人も多く集っている。
「ほい、大牙氏と橘氏の分の耳栓。」
「あぁ、よし…いいか?志希」
「えぇ、行きましょうか。」
耳栓をしっかり付け、意を決して食堂の扉を開いた。
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