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ホスト 蓮
私には身体だけのつきあいの男がいる
それがホストの蓮だ
お酒が呑めないなんて真っ赤な嘘
時々蓮の店に行き、シャンパンタワーなんて
したりする。『鶴、今夜は空いている?』
『空いてるわよ。用事ある?』
『冷たいな、ナンバーワンの俺が誘ってるのに』と蓮が笑った
和彫の龍がミラーボールに目くばせしたように見えた
蓮は両腕と背中に刺青を入れていた
店が閉店後私と蓮はタクシーに乗り、蓮のマンションに向かう
私達は朝まで愛し合う
『マッチョの刺青を入れた男なんて珍しいわよ』と私は笑う
蓮はピストルで撃たれた傷口を舐めた
『なんで俺なんか庇ったんだよ!』
あの時、私が庇ったのは高校生だった蓮だ
敵対する組が蓮を狙ったのだ
『高校生だったのよ、あなたは…いくらヤクザの息子とはいえ見殺しにできないでしょ?』
蓮は無言で、シーツに潜り込んだ
『私、帰るからね』
私は仕事に行く用意してマンションをでた
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