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旅立ち
明朝奏でる閃光が射す時、新たなる希望を探し求め巨大な帆船が大海原に向けて出航した。
来る日も、また来る日も荒波に臆することなく
碧く連なる膨大な水の壁を掻き分け、ただひたすらに西方の海を目指し突き進んで行く。
波の静まり返った朧月の夜には、潮の香りに酔いしれながら、子守唄を奏でてくれる白い飛沫と戯れごとに遊び、親愛なる人を想いつつ天に輝く星を見据えていた。
あろうことか、物思いにふける毎日が続いている。
それは、航海が始まってしばらくしてからのこと。
見渡す限りが青と蒼の狭間の世界の中、水平線を眺めながら、遠く故郷の海を懐かしんでいると、天を白く染めた無数のうみ鳥達の騒がしい鳴き声が、南風と共に静止した時だった。
一羽の巨大な黒鷲が、空の遥か彼方より稲妻の如く現れたのだ。
その直下より笛の音が聞こえてくる、と同時に、その黒鷲に追われているのだろうか
見るからに小さな白い一羽の鷹が、逃げ回るように慣れない翼で円を描いていた。
『 バサバサッ！ 』
「 何事？ 」
黒鷲に捕らえられそうになった白鷹が、運良く逃げ延びたかに見えたが、そいつはとうとう力尽き果てたのだろうか、俺の胸に向かい急降下してきた。
追っていた黒い鷲は自分で見つけた獲物を逃がすまいと、白鷹を追いそのまま飛び込んできたのだ。
「 シャーッ バサバサッ！ 」
「 エイッ ヤアッ！ 」
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