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「どう? お姉ちゃん、似合う?」
家でリボンを取り出し無邪気にはしゃぐエラに、考え事をしていたシャルロッテは思わず返事をしてしまった。
「ゆるさない」
「えっ?」
エラが驚いて固まった。
「さっきから何なんだ、シャルロッテ! リボンを探すのが大変だったからって、妹にゆるさないはないだろう?」
ハンスがシャルロッテを咎める。
「自分が選ばれなかった天の花嫁に、私が選ばれたのがゆるせないってこと?」
エラがシャルロッテを睨みつけた。
「ゆるさない!」
「シャルロッテ、いい加減におし!」
「ゆるさない……」
家族から責められたシャルロッテは二階の自室へとかけあがった。
(一晩寝れば、治るかもしれない。明日の朝には魔法の効果も切れているに違いない)
そう信じて、シャルロッテは早々とベッドに潜り込んだ。
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