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「ヒュウッ」
喉が笛のように鳴ると、シャルロッテは苦しげに咳き込んで膝をついた。
シャルロッテの首にはチョーカーのように黒い紋章が浮かんでいた。
「ヒッヒッ、今日はこれから山頂で夜通しサバトがあるからね。ヴァルプルギスの夜が明ける頃、山頂へおいで」
そう言うとキトカは黒いつむじ風になって姿を消した。
「ゆるさない……」
思わず口をついて出た言葉に、シャルロッテはギョッとした。頭では『助かった』と唱えたはずの言葉が耳から『ゆるさない』と聞こえてくる。
「ゆるさない?」
「ゆるさない……ゆるさない、」
「ゆるさない、ゆるさない!!」
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