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頑張ったんだよ
ハルくんがいよいよわたしに冷たくなったのは、このころからだ。このころから、わたしはハルくんと会っていても、いつ別れを切り出されるのかと怖かった。だから必死に彼の心を繋ぎ留めようと頑張った。機嫌を損ねないように気を遣い、飽きられないようにたくさんメールも電話もした。だけどそうすればするほど、彼はわたしに苛々する様子を見せた。
どうして、どうして。ハルくん。わたし、どうすればいい? どうすれば、あなたはわたしのものでいてくれる?
だけどとうとうこの日、ハルくんはわたしに言った。『別れよう』と。
どうしてよ、ハルくん。わたしいっぱい頑張ったのに。それなのに、どうして別れるなんて言うの。
……許さないから。あの女のものになるなんて、許さない。だってあなたはわたしのもの。わたしだけのものよ。ほかの女のものになんて、させないから。
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