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花火大会を独りで過ごすほど惨めなことはない。 待ち合わせ時間はとっくに過ぎていて、LINEには既読がつかない。 やっぱり嘘だったんだ。 浮かれていたのが馬鹿みたいで、弄ばれたのが悔しくて、鼻がツンとした。 帰ろうと踵を返した後ろでどっとあがる花火と歓声。 その時、微かにスマホが震えた気がした。
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