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#8

メイクを崩す汗にうんざりしながら歩いていると、前から声がした。 白いセーラー服。 背中の楽器ケース。 額を伝う汗をものともせず、きゃあきゃあと横を通り過ぎる青春たち。 あの夏には、嬉しさとワクワクと気まずさと悔しさと全部が詰まっていた。 気づくと周りは静かで、私はひとり笑ってまた歩き出す。
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