2人の誕生日

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その永倉ジュニアの車は、 いかにもって感じの黒いベンツで。 その永倉ジュニア自体も、いかにもって感じの人だった。 一夜と二人、ラブホテルから出ると、すぐそこに停まっていた黒いベンツの前方の左右の扉から、 二人の男性が降りて来た。 どちらかが永倉ジュニアだろう。 どちらでも、見るからにヤクザって感じの人。 「ジュニア、迎えに来させてごめんね」 「いえ。うちの店すぐそこなんで。 それよりも、うちの若い衆の事で、加賀見会長の事迄呼び出す事になってすみません」 そう言ったのは、その二人の男性の、背が高い方の人。 この人が永倉ジュニア。 それにしても、怖いけど、凄く綺麗な顔をした男性だな。 「ホント。せっかく盛り上がっていたのに、ねぇ?」 と、一夜はこちらを見て来る。 一夜が私を見るから、その永倉ジュニアも私に視線を向けた。 そうやって見られているだけでも、睨まれているみたいで凄く怖い。 「この子、綾瀬真湖ちゃん! ジュニア、悪いけど先に真湖ちゃんの事送ってあげて? M駅近くの、高層のマンションだから」 そう告げる一夜。 何故、私の住んでいる所を知っているのか?と思ったけど。 これも、学生証を見たから知っているのか、と思い当たる。
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