2人の誕生日

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「真湖ちゃんが可哀想だからハッキリと言ってあげるけど。 彼、本当に仕事?」 そう言う顔は、本当に私に同情しているのか、 先程迄みたいに、笑っていない。 「一体、何が言いたいの? もしかして、仕事だって嘘付いて彼が浮気してるんじゃないかって事?」 怒りからか、睨み付けてしまう。 「真湖ちゃんも、どっかで分かってんじゃないの?」 「…」 図星なのか、目線を逸らしてしまう。 本来、彼の事を信じているなら、こんな場面なら、そんなわけないでしょ、と、笑い飛ばすのか。 「…でも、彼は警察官なのに。 浮気なんてするわけない…」 昔から、正義感の強い真っ直ぐな彼。 初めは、カッコいいからとその昌也の容姿に惹かれたけど、 好きになったのは、昌也のそんな所。 昌也とは付き合って約6年。 高校に入学し、入った剣道部で私達は出会った。 昌也は私より一つ先輩の二年生で、 私が昌也に一目惚れして、告白して、付き合い出した。 そんな昌也は、高校卒業後、すぐに警察官になり。 学生と社会人になってからも、 私と昌也との関係は上手く行っている。 でも、今夜のように、昌也に仕事を理由に会う約束をキャンセルされる事は度々あり。 最近、特にそれが増えた気がする。 「誕生日の彼女よりもそっちを選ぶって。 彼、真湖ちゃんにそれ程気持ちがないのかもしれないね」 「そんな事ない!」 そう否定するけど。 続く言葉が出ない。
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